?F後ろから乗り込むことは可能か
JOY−VANは横乗り込みを前提として床の切り下げをしている。床の切り下げは、運転をする上で最も重要なアイポイントの確保をするためには有効な方法である。
「後ろから乗り込めないだろうか。」との多くの人たちからの要望に答えるには、後部ゲートから運転席まで床が平らでなければ後ろ乗り込みは出来ない。後ろから乗り込み運転の出来る車は、全く新たな理念で開発される必要がある。その際、アイポイントの確保は大きな課題となるだろう。
?G故障した時の修理や整備の体制は大丈夫か
輸入車、それもたった1台しかない現状において、アフターサービスの体勢が出来ているか否かという質問は、生活者として日常車を利用することを想定すると当然の質問である。一般的自動車の故障で有れば、街の整備会社でもJAFでも解決できるが、最先端テクノロジーを駆使した特殊な車であるからこそ、専門的知識と技術を有する販売代理店の整備が急務である。
?H維持費はいくらくらい掛かるか
排気量が4,290?tであり、車両重量2トンという車体を目の当たりにした多くの人たちが最も気にした点である。当然燃費は最も気になる経費の一つであり、質問が集中したのもうなづける。また修理に掛かる費用が国産車よりも割高になるであろう事も認識している人たちが多く、しきりに年間どの程度の燃料代と、保険料と、修理代が掛かるのかを聞かれる機会が多かった。しかしJoy Projectとしてもデータの積み上げがない以上答えようもなく、漠然としたイメージを持って帰られた方も多かったのではないだろうか。
就労の機会に恵まれない人が多いことを考え合わせると、『経済的負担の大きさ』は解決しなければならない最重要課題の一つであるとの認識を持った。
?Iほんとに免許は取れるのか
1997年6月段階で、警察庁免許課から「ジョイスティックコントロールシステムによる運転は、実車を持ち込んで試験を受ければ、何らかの(表現方法が未定)限定免許を発行する。」と口頭での回答を受けていたが、全国キャラバンの日程があまりにも過密になる中で、練習にチャレンジする暇がなかった。まだ誰も免許を持っていない車JOY−VANは、まだまだ未知の車であり、リスクの大きい車との認識を持つ当事者が多かったようである。
1998年1月段階で本格的に練習を始めようと、府中試験場に出かけた。事前に警察庁運転免許課にも話を通した上で出かけたのだが、その後府中の現場担当から「ジョイスティックコントロールを運輸省が補助運転装置として認可をしたという確認が欲しい」と、免許課に申し入れがあった。それから免許課が運輸省との確認作業をするのに約1ヶ月掛かった。
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